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確定拠出年金に係る報酬月額変更について
健康保険法(健保法); 厚生年金保険法;
疑義照会回答; 適用; 被保険者報酬月額変更届(月変); 確定拠出年金法第86条; 平成15年10月1日保保発第1001001号;
有効期間:
更新日:
Wed Feb 28 2018 08:18:10 GMT+0000 (Coordinated Universal Time)
質問
平成22年10月1日より、事業所における「賃金規程」の改定を行い、勤続年数が満3年を超える全従業員の給与から、毎月一律29,000円を確定拠出年金・退職金前払規程に基づく支給へ振替が行われることになりました。
当該事業所は、29,000円について基本的に「賃金」ではなく、「確定拠出年金の掛金」と位置づけ、賃金を29,000円減額して確定拠出年金の掛金とすると整理しています。
また、当該事業所の確定拠出年金・退職金前払規程によると、振り替えられた29,000円の範囲内で従業員個人の選択により、希望する金額を毎月の給与支給日に退職金の前払として受け取り、残りの金額を確定拠出年金の掛金とすることができるとなっています。
さらに、退職金の前払いとして受け取る金額は、個人が1年に一度金額を見直し再設定することができるとなっており、金額が変更された場合は、確定拠出年金の掛金も変更になります。
1.及び2.において、それぞれ報酬月額変更に該当するか教示願います。
1. 確定拠出年金・退職金前払規程に基づく支給への振替(29,000円)が開始されたとき
2. 1年に一度金額を見直し、変更したとき
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回答
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従業員が退職金の原資を確定拠出年金の拠出金とするか前払退職金として給与で受け取るか選択できる場合においては、この原資から拠出金を引いた差額である給与額の変動は、従業員の選択のみにより発生するものであるため、当該給与額の変動(拠出額の変更、拠出の開始等)は原則として固定的賃金の変動には該当しないことになります。したがって、従業員の選択の余地が事実上無い等の、実質的に当該賃金変動が従業員の選択のみによるものではないと判断しうる個別の事情がない限り、1.2.ともに月額変更に該当しないことになります。
しかし、本件については、平成22年10月1日より賃金規程の改定を行い確定拠出年金制度を導入して、基本給の減額分を退職金の原資とする変更を行っています。制度の導入と同時に確定拠出年金の拠出金の拠出を開始するならば、基本給に前払退職金を加えた給与額は、賃金規程改定前の基本給より減額となるため、この賃金規程の変更により降給が行われたことになります。したがって、賃金規程の改定後、拠出を開始したことにより、標準報酬月額の2等級以上の変動があるならば、改定後の賃金規程による賃金の支給開始月を起算月とする報酬月額変更に該当すると考えられます。
なお、拠出金については従業員の選択のみにより変動することから、平成22年10月1日より後に拠出を開始し前払退職金額の変更が行われたとしても、報酬月額変更は行わないことになります。
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情報提供
日本年金機構(年金事務所)